こんにちは、エンジニアの石原です。
インフルエンザの季節になってきました。 私は予防接種を受けないとなぜか毎年インフルエンザになるんですね。
体重が減らないことが悩みの僕にとっては、インフルエンザでダイエットってのもいいかもしれませんがね。できれば健康的に痩せたいものです。
では、世間話はここまでにして、本題に入ります。
プロジェクトで扱うCMS (コンテンツマネジメントシステム)について
私たちGrowGroupは、Webサイト、つまりはホームページの制作を一つの業務として行っています。
その中では、当然CMS(コンテンツマネジメントシステム: 以下CMS)を導入するプロジェクトも数多く存在します。 この業界でも、CMSに触れる方は数多くいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、Webサイトを作る = CMSで作る という概念が台頭し、セキュリティリスクに晒しながら数ヶ月に一度、というようなWebサイトを見かけることを少なくありません。
そこで、今回は複数回に渡りCMSについての常識を文章化することで、今一度CMSに対する認識を深めることを目的に、この記事を書きたいと思います。
CMSの定義
まず、CMSの定義を調べてみます。
コンテンツマネジメントシステム(英: content management system, CMS)は、ウェブコンテンツを構成するテキストや画像などのデジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステムの総称。
- デジタルコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理を行うシステム
これがCMSの定義ですね。
CMSの目的
では、CMSは何のために存在しているのでしょうか。 何のために開発され、今なお導入するWebサイトが数多く存在するのでしょうか。
それを考えるために、普段私たちがCMSを導入する背景を考えてみましょう。
まずは、お客様からのよく寄せられる要望を書き出してみます。
- 企業からユーザーへのお知らせを発信したい
- よくあるご質問の内容を更新していきたい
- 募集要項を管理したい
- 企業ブログで発信したい
- 製品を管理したい
- お客様の声を管理したい
これらを分析すると、以下のようなルールが隠れていることがわかります。
{知識、情報} を {発信、管理} したい
- 知識を{発信、管理}したい
- 情報を{発信、管理}したい
CMSを導入する背景に、【知識や情報を発信・管理していきたい】という要望があるからこそ、CMSの導入に繋がるわけです。
このことから、CMSの目的はこのように定義できるはずです。
知識や情報を発信・管理するために、CMSを導入する
「なぜ」を突きつける
では企業や人は、なぜ「知識や情報を発信・管理していきたい」と考えるのでしょうか。
考えるべきなのはこの理由なのです。これがわからないと、あかんのです。
何となく、自社で更新できた方がコストもかからないだろうし、いいよね。という感覚では、CMSを導入する理由は成り立ちえないのです。
それは、「発信、管理するためのツールであるCMS」と「発信、管理されていないWebサイト」が同時に存在するという「矛盾」を生み出すからに他なりません。
私たちの「目的」から考えてみる
これを紐解くために、私たちの仕事の目的を考えてみましょう。
私たちは【プロジェクトの目的を達成するため】に仕事をしています。 理想論、建前と感じる方が多いかもしれませんが、少なくとも目指すべき行動ではあるはずです。
お客様が望んでいることの本質を突き止め、目的、または課題設定し、達成・解決する。これが私たちの仕事の本質であり、それを求めて制作依頼が発生するのです。
つまりは、「知識や情報を発信・管理する」というCMSのツールとしての目的も、導入を決める私たち、お客様の目的を考えると「プロジェクトの目的を達成するために」存在しているということが言えるのではないでしょうか。
プロジェクトの目的を達成するために、知識や情報を発信・管理する
例をあげます。
- 企業価値を高めるために、お知らせをユーザーへ発信したい。
- 信頼性を高め、問い合わせてもらうために、お客様の声を管理していきたい。
- 製品への問い合わせから、事業自体の売上を向上するために、新しい、正しい製品情報をユーザーへ伝えたい。
等々。 逆に具体的に掘り下げることのできない目的でしたら、CMSを導入する理由もなくなります。 感覚としての目的を、より具体的に掘り下げることができない場合、導入しても無駄になるケースが多いのです。 無駄になるということは、余計なコストをかけているということです。これは未然に防ぐ必要があります。
これから先、CMSもより洗練され便利になり、多機能になっていく可能性はあります。
しかし、機能的な側面や見た目的な側面で決定するのではなく、プロジェクトの目的を常に視野に入れながら、CMSの導入について考えなければならないのです。
CMSの導入則
プロジェクトの目的を達成するために、情報を発信、管理する
助長気味ではありますが、上記をCMSの目的として定義しました。
では、CMSはどのような場合に導入されるべきなのでしょう。
- プロジェクトの目的を達成するために必要な情報には、発信、管理する必要があるか
これが根本的な導入則です。 ここからツリー状に成り立ちます。
まとめます。
プロジェクトの目的を達成するために必要な情報には、発信、管理する必要があり、管理体制もある、もしくは委託でき、かつCMSを導入する予算は確保できるか
これが、最低限のCMSの導入則となります。
CMSの選定基準
CMSの導入則をあげてみましたが、これはCMSの選定基準としても考えることができます。
管理する体制
- 管理に関わる人数が多い
- より高度な権限管理機能が備わっているCMS
- 人員配置の構造が複雑
- 承認フロー管理機能が備わっているCMS
- 担当者のITリテラシーが低い
- 操作性に優れているのCMS
導入コスト
- できるだけコストを下げたい
- オープンソース系CMS
- 制作側の学習コストが低いCMS
- カスタマイズするコストはかけたくない
- 多機能なオープンソース系CMS
- かかるコストにいとめはない
- 商業用CMS
管理体制と導入コストは、CMSと切り離せない関係性です。
また、CMS導入時に比較的重要度が高い判断基準をあげてみます。
サーバー要件
- サーバー要件を変更することができるか
- できない
- 既存のサーバー要件で動作可能なCMSを選定
- できる
- CMS選定を進める
- できない
セキュリティ要件
- セキュリティ的な要件が提示されているか
- されている
- セキュリティ要件にあったCMSの選定
- されていない
- CMS選定を進める
- されている
普遍的なCMSの基準
これまでの選考基準は、プロジェクトによって左右されるものです。
それとは別に、ある程度普遍的な基準も存在します。
汎用性があるか
CMSでもっとも問題となるのは、この問題です。極論、制作会社が潰れたとしてもどうにかできる術があるかどうかは、重要な判断基準です。
信頼性があるか
CMSは、長期間に渡り利用することが前提です。ここでの「信頼性」とは、PCを購入する時と同じ感覚です。
PCの性能的な側面だけではなく、PCを製造しているメーカーの信頼性や、PCのブランドの信頼性を考慮し購入します。
CMSが開発された背景や、開発元、これまでの実績などを考慮して選定を進めます。
まとめ
ここまで、CMSの目的から、基本的な選定基準まで一通り考察を続けてきました。 こう読んでいくと当たり前なことばかりかもしれませんが、こうして明文化してみると改めて重要なことだと感じます。
今回は、CMSの目的から選定までを考えてみました。次回は、「目的から考える具体的なCMS選定」をテーマに考えてみたいと思います。
もし内容に意見等ありましたら、私の勉強のためにも ishiharaアットマークgrow-group.jp までご連絡いただけますと幸いです。
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