今回はマークダウンで効率良く文章を書く方法についてご紹介します。この方法をマスターすれば、記事の執筆に集中できるだけでなく、執筆の効率アップにもつながるかと思います。ぜひ初めてマークダウン記法を試してみてください。
マークダウン、マークダウン記法とは
マークダウンについて初めて聞いたという方もいるかも知れません。
マークダウン(マークダウン記法、Markdown)というものは、指定された規則に則って文章を書くことにより、見出しや下線、太字といった文章への装飾を簡単につけることができる書き方のことです。
もう少し詳しく言うと、マークダウンの書き方をした文章は、ルールに沿って自動的にHTMLに変換されます。
この章ではマークダウン記法の概要や考案者について学びます。
マークダウン記述例
例えば、見出し(h1)をHTMLとマークダウンで書いてみます。
<h1>こんにちはMarkDown!</h1>
このHTMLをマークダウンで書くとこのようになります。
# こんにちはMarkdown!
HTMLでは開始タグ、終了タグで囲わねばならない箇所も、マークダウン記法だと先頭に#(シャープ)をつけるだけでOKです。非常にスッキリしますね。
マークダウンのメリット、デメリット
マークダウンを使うと以下のようなメリットが有るかと思います。
- 作業効率アップ
- HTMLで記述する場合よりも早い
- 修正・編集もしやすい
- テキストエディタがあればいいので作業も早い
- 集中力アップ
- HTMLで記述する場合に比べて"書く"ことにフォーカスできる
デメリットとしては、以下のように学習コスト、環境によるコストが挙げられます。
- マークダウンのことを覚える必要がある
- マークダウンを変換するソフト・環境によって記法が異なる場合がある
知っておいて損のない技術だと思うので、使えなくても「知っている」状態にはしておくと良いと思います。
誰が考えたの?
アメリカペンシルベニア在住のコラムニスト、ジョン・グルーバーさんによって開発されました。
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Gruber
グルーバーさんのサイトを拝見するに、2004年12月17日にMarkdownの1.0.1が公開されていることが伺えます。
https://daringfireball.net/projects/markdown/
考案者の解説(公式サイト)を読もう
マークダウンを考案したグルーバーさんは上記のサイトの冒頭で以下のことを書いています。
Markdown is a text-to-HTML conversion tool for web writers. Markdown allows you to write using an easy-to-read, easy-to-write plain text format, then convert it to structurally valid XHTML (or HTML).
Markdownは、Webライター向けのテキストからHTMLへの変換ツールです。
Markdownを使用すると、読みやすく、書きやすいプレーンテキスト形式を使用して記述し、構造的に有効なXHTML(またはHTML)に変換できます。
※訳注: プレーンテキストとは、メモ帳やテキストエディタなどで開けるシンプルな文章のことを指します。
Thus, “Markdown” is two things: (1) a plain text formatting syntax; and (2) a software tool, written in Perl, that converts the plain text formatting to HTML. See the Syntax page for details pertaining to Markdown’s formatting syntax. You can try it out, right now, using the online Dingus.
意訳すると、マークダウンとは
- マークダウン記法で書いたテキストファイルのこと
- マークダウン記法で書かれたテキストファイルをHTMLに変換する仕組み
上記の2つから成り立っているとのこと。一般的には1の意味合いで使われることが多いですが、たしかにそれを変換する仕組みもマークダウンですね。こういった細かい点も知っておくと、よりマークダウンへの理解が深まると思います。
後々紹介しますが、マークダウン記法で書かれた文章でも2の変換する仕組みが異なると変換されない。なんてこともあります。
どうしたらマークダウンを使えるようになるか?
マークダウンのことはわかったけど、マークダウン・マークダウン記法を利用するためにはどうすればいいのか?この章ではマークダウンを使うためのソフトウェアやプラグインについて紹介します。
WordPressの場合
WordPress5.0以降で利用できるGutenbergエディタは元々MarkDown記法に対応しています。Gutenbergを使わずにクラシックエディターを使っている方はこの「JetPack」というプラグインを導入することによりマークダウンを利用できます。
https://wordpress.org/plugins/jetpack/
WordPressのコアコントリビューター企業であるAutomatic社が中心に活発が進められているプラグインで、非常に多くのコントリビューター(貢献者)によってメンテナンスされているので、今後のWordPressのバージョンアップにも耐用できるプラグインだと思います。ただ、高機能なのでサイトが重くなる懸念もあります。
「WordPress マークダウン」で検索するとよく「JP MarkDown」といったプラグインが検索結果に出てきますが、最終更新日が3年前と古く、メンテナンスもされていないため、利用は控えたほうが良いと思います。
Visual Studio Code(VSCode)
私はいつも「Markdown All in One」というVisual Studio Codeの拡張機能(エクステンション)を利用しています。(蛇足ですが、この記事もVisual Studio Codeで執筆しております。)
Markdown All in One
https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=yzhang.markdown-all-in-one
2019年10月8日現在 869,893 インストールされている拡張機能で、マークダウン記法を実際にHTMLに変換した様子なども簡単に確認できます。
また、「markdownlint」という拡張機能を入れておくと、MarkDown記法の誤りを指摘してくれます。
markdownlint
https://marketplace.visualstudio.com/items?itemName=DavidAnson.vscode-markdownlint
もっとマークダウンを知り親しむために
公式サイトを読もう
一次情報にアクセスすれば、歴史や理念、シンタックスについても学べます。小手先でなく、根本の部分が学べるのでざっとでも目を通しておくと良いです!英語ですが、Chromeの自動翻訳を駆使して読み解きましょう。
Daring Fireball Markdown
https://daringfireball.net/projects/markdown/
マークダウン記法一覧
マークダウン記法の一覧は以下になります。ゆくゆくこのページでもまとめて行きますね!
https://daringfireball.net/projects/markdown/syntax
UG(ユーザーグループ)の人と親しくなろう
日本語Markdownユーザー会が発足しているようですが、現在は活動休止しているようです。
日本語Markdownユーザー会
ユーザーグループというのは特定のソフトウェア等のユーザが、そのソフトのことが好きすぎて、あるいは必要にかられて形成されたユーザーの集まりです。
マークダウンもっと掘り下げたい。という方はGoogleグループに参加してみると、更に深いマークダウンの世界が広がるかと思います。
勉強会を探してみよう
connpassなどで近くの勉強会を探してみましょう。
https://connpass.com/search/?q=markdown
ただ、正直MarkDownを取り上げた勉強会は非常に少ないので、自分で勉強会を立ち上げて興味がある人を集めてディスカッションする。ということをしたほうが早いかもしれません。
まとめ
マークダウンを学び、親しむと、「書く」ということに集中できます。書くことに集中すると「人に伝える文章」に集中できます。その結果、「人に伝わる文章」を書くことができる。そんなふうに思います。
ぜひぜひ学んでみてくださいね!
Udemyを実際に体験した方の感想記事もぜひご覧ください♪